拳銃と目玉焼

2月
11 Tue 2025
2025年映画祭上映

聞配達員の志朗は心優しいひとり者の中年男。
志朗の至福の時間、それはコツコツとプラモデルを組み立てている時と、ひそかに想いを寄せるユキが働く喫茶店で彼女の作った目玉焼モーニングを食べている時だった。
「近くに出没したチカンを退治してください」
ユキの冗談を真に受け、志朗は恐る恐る深夜の街に出かけて行く。
しかし肝心の強制猥褻男に出くわす事もなく、替わりにオヤジ狩りの不良達に絡まれていた町工場の初老の社長阪本を「結果的に」助ける事となる。
無様な成り行きに阪本の求めにも応じず、そそくさとその場を立ち去る志朗だったが、翌朝喫茶店に顔を出すと阪本の姿があった。
「オヤジ狩りの悪ガキどもをイテもうたろう」(コテンパンにしてしまおう)
復讐に燃える坂本の誘いを断りきれない志朗は、オートバイ用のプロテクターをネット通販で購入し、完全防備で参加する事になってしまった。
阪本の立てた単純かつ卑劣極まりない作戦は意外な展開を見せつつ「結果的に」成功し、初老と中年のオッサン二人は泣いて詫びる不良少年達をボコボコにイテコマスのであった。
翌朝、新聞に載った「オヤジ狩り少年、返り討ちにあう」と言う記事を見たユキは、
「ちゃんとした事をする人、好きやなぁ」
と感心してしまう。

その一言は志朗の妄想に火をつけた。
バージョンアップを繰り返し、徐々に形となっていく志朗のヒーロー像
怪しく光る緑の眼、黒光りする手製の仮面が完成した頃、ユキを巡り物語は新たな局面を見せ始める・・・。
2月11日 芸道場すわん江戸村 13:30ー